海南島
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海南島の伝統芸能 2

「歌海」儋州・儋州調声

海南島には各地に“民歌”(日本で言うところの“民謡”)が多く歌い継がれている。中でも、本島北部儋州市は古くから「儋州自古称歌海、山歌催得百花開;人人都是山歌手、山山水水是歌台」と、いわれるほど歌を愛する土地柄。この地域の民歌「儋州調声」は、海南省でもっとも有名な民歌の一つであり、中国の国家無形文化財にも選ばれている。

儋州調声 儋州調声

男女に分かれて掛け合い形式で歌われる“歌掛け”で、男女それぞれ横一列に並び、向かい合って歌い合う。男性が歌い掛け、女性が答える形が基本形。人数は4、5人単位から30人単位ほど。時にはもっと多くの人数で歌われるもこともあるという。歌いながら体を揺らし、軽い振りが付く。内容は男女の恋唄や遊び歌が多いが、時代と共に変化し、多彩で豊富。儋州方言の口語で歌われ、軽妙で美しい。各村などの集落・地域単位でグループを組んでおり、娯楽目的の「対歌比賽」(グループ対抗戦)いわば“歌合戦”を行う。揃いの衣装や笠などを誂え、とても盛り上がる。

西漢・武帝の頃(紀元前110年頃)より、儋州北部の三都鎮、峨蔓鎮、木棠鎮、光村鎮周辺が起源。海南省の民歌は、中国の民歌形態の中で“山歌”と呼ばれる系統に属するものが多い中、「儋州調歌」は中原の影響色濃い“小調”系統。元々の山歌が中原文化の影響を受け独自に発達したものと思われ、中原文化流入の早かった儋州ならではの漢文化的民間芸能といえる。

中国の民歌の中でも独特で、最近では海南省以外での文化イベントにも登場することもあるが、儋州市では毎年旧暦8月15日に調声イベント“中秋調声節”を大々的に行なっているので、その時に訪れると、ありのままの歌声を地元で堪能出来る。


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